電動工具のバッテリーは、主に「ニッカドバッテリー」「ニッケル水素バッテリー」「リチウムイオンバッテリー」の3種類に分けられます。こちらでは、各バッテリーの特徴やメリット・デメリット、バッテリーの寿命や性能に影響を及ぼすメモリー効果について解説していきます。
ニッカドバッテリー
ニッカドバッテリー(ニッケル・カドミウム電池)は名前のとおり、ニッケルとカドミウムを使用しています。ニッカドバッテリーは、小型のバッテリーでありながら高出力のため、ディスクグラインダーや電動ドリルなど電動工具に使用されています。
一方でニッカドバッテリーは自然放電率が高く、長期間使用しない、あるいは過充電の状態が繰り返されると簡単に劣化します。そのため、時計やリモコンなど電力を使用し続ける製品には向いていません。
さらにバッテリーに含まれるカドミウムは有害物質であり、廃棄するときは細心の注意を払わなければなりません。
現在では、ニッカドバッテリーの使用率は減少しており、ニッケル水素バッテリーやリチウムイオンバッテリーを採用しているメーカーがほとんどです。
ニッケル水素バッテリー
ニッケルと水素(もしくは水素化合物)から作られたバッテリーです。容量が大きいのが特徴で、ニッカドバッテリーの約1.5倍もあります。
また、ニッケル水素バッテリーは内部抵抗が低いため、放電時に大きな電流を流せます。ラジコンやハイブリッドカーのモーターのように大量の電流を必要とする場面で使用されることが多いです。さらに、ニッカドバッテリーよりも含まれる有害物質も低減するため、廃棄時の環境への影響も抑えられます。
ただし、充電回数はニッカドバッテリーよりも劣り、500〜600回程度が目安です。
リチウムイオンバッテリー
リチウムイオンを用いたバッテリーで、電動工具はもちろん、スマートフォンやノートパソコンなどに使用されています。リチウムイオンバッテリーの最大の特徴は、自己放電率の低さです。自己放電率が低いため、長期間充電せずに放置していても電気容量が維持できます。
また、もう1つの大きなメリットは、メモリー効果の影響がほとんど受けないという点です。そのため、継ぎ足し充電を繰り返していても、バッテリー性能の劣化がほとんど起きません。この特性は、バッテリーの長寿命化につながります。
バッテリーのメモリー効果とは?
メモリー効果とは、バッテリー残量が残っている状態で再充電を繰り返した場合、見かけ上、使用可能な容量が少なくなる現象のことです。この現象が発生すると、満充電を行っても実際のバッテリー容量は数割しか充電されていない状態となります。
メモリー効果が見られるのは、主にニッカドバッテリーや一部のニッケル水素バッテリーです。リチウムイオンバッテリーにはメモリー効果がほとんど存在しないため、充電管理が容易であり、バッテリーの性能を最大限に引き出せます。このため、近年では電動工具の多くにリチウムイオンバッテリーが使用されているのです。
このように、電気工具のバッテリーは種類によって特徴が異なるため、使用目的を明確にして選びましょう。また、電動工具の互換性も確認することが大切です。一部の電動工具は互換バッテリーの使用ができません。互換バッテリーの取り付けができるかどうかは、電動工具本体を見ることで確認できます。
電動工具のバッテリーとして、ニッカドバッテリーやニッケル水素バッテリーなどが挙げられます。近年では、数多くのメリットがあるリチウムイオンバッテリーが主流となっています。
リチウムイオンバッテリーは、電気容量が大きい、自己放電率が低い、急速充電が可能、メモリー効果がない、有害物質が少ないなどの特徴があります。そのため、効率性・生産性・安全性の面で、バッテリーの性能を最大限に引き出しやすいのです。
TANACHII.SHOPでは、リチウムイオンバッテリーを使用した商品を取り扱っています。
また、グラインダーなど一部の製品は、本体はもちろん、リチウムイオンバッテリーと充電器がついたお得な3点セットなども販売しています。ディスクグラインダーやバッテリーのご購入をご検討中でしたら、ぜひごお問い合わせください。